施せし情は人の為ならず おのがこゝろの慰めと知れ
我れ人にかけし恵は忘れても ひとの恩をば長く忘るな
新渡戸稲造氏の詩で、意味はこういうことです
情けは他人のためではなく自分自身のためにかけるものだ
だから自分が他人にした良いことは忘れてもいい
でも、人から良くしてもらったことは絶対に忘れてはいけないよ
身に染みて教訓になった大失敗談を記しておきます
母
見た目は小柄で地味め、少し話すと気さくで楽しい無邪気な人です、
ただ中身がまんま地獄、お金、オトコ、酒、全ての癖が最悪
ダメ人間って往々にしてなぜだか人を惹きつける強力さがありますよね、
その社交性が全て悪癖に直結して被害が拡大🌀し続ける
まさに私に課せられた最初の最大悪夢
もちろん私もまともでは無く若い頃は荒んだ悪い娘でしたが、
いよいよ逃げ切れず腹を括った時に一念発起し、
その後は私なりに問題解決に長い年月かけてきました
母のやり口は、不機嫌で相手を制御することがベースで、
子どもと言う立場ではコレにかなりやられてきました
欲求が抑えられないようで買い物依存・人づきあいの依存などなど、
あらゆるローンに手を出して、親戚姉妹友人知人から現金を借りまくっていました
ミュンヒハウゼン症候群の家庭内暴力版が手口で、
家族から経済的精神的などなど虐待受けているので助けてほしい…
のようなドラマティックな作り話で相手の同情を引きお金を引き出していました
そうした少額ずつを長期間に渡ってコツコツ(笑)借金しまくった結果、
最終的に整理把握すると 1千万円弱になっていました😲❕
人が心を許すような不思議能力には脱帽ですが、真逆の明るい方向へ使えばよかったのに…
そして天才的な嘘つきで、己が欲求を満たすためなら手段選ばずの姿勢はもはやアッパレ🚩
正論で締め付けすぎると隠れて問題拡大されるので、
与える情報制御しつつキゲン取りつつ付き合っていくしかないのです💦
強く出れば言いなりになる、とこちらの足元みてやりたい放題の母と
騒動被害を最小限で留めておきたい一心の私、
不健康な力関係の地獄サークルの完成です😅
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思い込み
全てにおいて常時目を光らせていても何かしらサプライズ騒動を起こすので、
本当に気が抜けない緊張状態の日々でしたが、
この毒虫の被害を最小限に留めるためには私が制御するしかない
犠牲は私一人で充分、がスローガンで頑張り続けていました
諸問題は法的解決も試みましたが、根本原因が治癒されていないので結局同じ繰り返しです
昼間の仕事、夜のバイト、働いて働いて、制御に気を張り巡らせて私のすべてを費やしました
他人様の玄関先で土下座しても辛くなかった、
いつか、もうすぐ、これさえ片付けば…🌟
母も目を覚ましまともになってくれる、人並みの生活が送れるようになる、
そんな風に夢をみていたんだと思います
でもそんな私の思い込みが全崩壊する日が来ます
転職・結婚など人生基盤の支えが少し出来るような時期が来て、
人並みの安定を望みだした頃です
持ち家も子どもも欲しい、家族みんなで協力していこう、と言う時に
母が猛反発「親子でも価値観は違う」と賢ぶってのたまい、オトコ追いかけ家出です
「ガン手術から復活出来たから残りの人生は自由にしたい」と聞いて大笑いしました
自己破産も、病気も、どんな経験も母を変えることは無かったのです
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真実は
その時やっと気づきました💡 私は今まで間違った希望を抱いていたのです
尽くした分はいつかお返ししてもらえると勘違いしていました、
勝手に頼んでもいないのに好きで奉仕したんだから却って重荷だったそうです
病気がほんの少しでも人生観を変えてくれるなんてことも無いんです、
毒虫が蝶々に変身はしないんです、毒虫は病気経験した毒虫なだけなんです(笑)
確かに今まで証拠となるエピソードは数えきれないほどあったのに、
私の希望的観測に基づいて事実を採用してこなかっただけのこと
ここにきて現実を明らかに突きつけられて愕然としました
自分の愚かさへの後悔、失った年月の長さ、全てが無駄になった喪失感、
それとともに意外にも心細さ頼りなさを強く感じて驚きました😲
あぁ依存していたのは私の方だったんだな、と
地獄だと不満唱えつついつの間にかそこが慣れ親しんだ安全圏になっていて、
一歩踏み出す勇気を放棄していたのは私自身でした
あの時もそう、あの時だって…
自分を優先することに罪悪感を課していたのは私自身で、
言い訳しながら現状に甘んじていたのも私自身の選択でした
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情けは… 己がため
捕らえた虫を小さな籠に押し込め、情けをかけたつもりの善人気分に浸っていただけでした
その “情け” は結局何にもならず誰の為にもなっていない愚かなことでした
その時は、これからどうすれば良いのかは分かりませんでしたが、
どういう心持でいれば良いかは身に染みてわかりました
今までなら力づくで解決しようと空回りしていたのを一切やめて事の顛末をただ見守ろうと決めました
私が良かれと目指していた「安定した暮らし」は母にとっては幸せではないのです、
私と母の道はハナから違うのですから、元から私に出来ることは何も無かったのです
最後に私から贈れるものは何もしないことでした
実際そのときは二度流産し心身ともに一番弱っていて何の気力も出なかったですし、
まぁそんな時を狙って騒動起こすんですから私が願った母の姿もハナから幻想なのでした
思い返せば真からの慈愛は得られた試しがありませんでしたが、
性質的に母という人には浅い感情しか備わっていなかっただけのことで、
私が成長してからは自由を制御してくることへの復讐の意味もあったのでしょう
お互いにただ嫌な想いを長らく味わい続けてしまいました
怒る気力も無く、ただ無力感に打ちひしがれていましたが、
間もなく猛スピードで好転をし始め、今に至ります
あの時の衝撃のおかげで人生観がガラッと変わりました
もちろんそれからも色んな事件は起こるしその度に失敗もします、
でもこの件で得たいくつかの教訓が私の最強の武器になってくれています
そして無駄だったと落胆していた長く辛かった修行期間のことも、
母という存在のおかげで無理矢理に私の器を広げ続けることが出来た貴重な体験に思えるのです
しばらくは「関わりたくないけど最期どうなったかは知りたい」なんてシニカルに思っていたのが、
今では「まぁ何とか幸せにしていてくれればありがたい🌺」と思えるようになりました
そして欠陥だらけでも不思議とチャーミングな母の、自分優先の生き方や主張を時折想い出し、
母の解釈とは違った意味で納得している今日このごろです
施せし情は人の為ならず おのがこゝろの慰めと知れ
我れ人にかけし恵は忘れても ひとの恩をば長く忘るな
間違ってかけ続けた “情け” が、深い教訓として変化球で私の糧となっている
というひねくれたエピソードですが、
おかげで今は素直にこの詩の通り生きられています
驚くことに母から受けたほんのわずかな愛のみならず強烈な仕打ちの全てに、
心から感謝を感じているのです
こんな心境の変化…私もう死期が近いのかも、と思って急いで記しました😅
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