どこかアンバランスだったり、欠けていたり、アシンメトリーであることでより美しさを感じます。
マリリン・モンローは片方のヒールを折ることで、色気のあるモンローウォークが誕生させたそうです。
生け花も、整然と並べ生けるだけでなく1点リズムを外して際立たせると
全体の美しさがより引き立つ気がします。
生き物すべて、どこか未熟だったり、多数派との違いの部分こそ、個性であり、唯一の魅力に感じます。
子育てに想う
出産経験のないわたしに、子育ての機会を与えてもらえたことでより一層その想いが強くなりました。
出来なかったり出来たり、理解出来たりわからなかったり、
それでも試行錯誤し挑戦し続けていくことへの敬意と賞賛をいつも送りたいキモチです。
達成や結果は、本人が定めて、本人が得られる成長こそであって、
他人から提案されたようなことは一案であり参考にさせてもらえば良いくらいに思っています。
息子が日々何かを経験することで味わっていく多彩な感情を、一番間近で共感させてもらえる、
ただそれだけが子育ての醍醐味のような気がします。
そして我が子の全ての瞬間を愛しく誇りに感じます。
もしかすると子どもだけでなく大人も、人間にとって過程こそが人生の醍醐味で、
かみさまも私たちをこんな風に感じて見守っているのかも知れません。

サラブレッドの世界
北海道の競走馬売買の仕事をお手伝いさせてもらっていた期間がありました。
競走馬の種付けから誕生、育成、現役期間、引退、そして命の終わりまでの現実を見せてもらいました。
レースで早く走る、この唯一の価値を追求した特殊な世界で、多くの人が生活を成り立たせています。
人間がコントロールするこの競走馬の世界では、優秀な馬の遺伝子のみが受け継がれてきているのです。
もちろん過去の経験やデータ等を元に分析され結果が予測されているはずですが、
不思議なことに優秀な牡馬と牝馬から生まれた仔馬が、すべて優秀かというとそうではなく、
現役時代に賞を撮れなかったとしても種牡馬としては優秀な仔馬を排出する馬もいます。
だからこそ面白味があり、夢や希望を載せて大金が動くのだと思うのですが、
わたしは、人智及ばぬコントロールし得ない生命の不思議さを感じました。

かみさまの基準
人間も動物も植物も、いま生を受けている全ての生き物は、優秀だから勝ち残り生まれ出てきたわけです。
人間的考えの優秀さを追求したのであれば、誰しもがみな同じになって当然なのに、実際は一人ひとり違います。
ということは、かみさまの考えでの優秀さとは基準が違っているということでしょうか。
失敗したり、弱かったり、間違ったことをしてしまう、わたしたちが生かされ続けているということは、
かみさまにとってはこの不揃いな生き物たちが、優秀な創造物ということではないでしょうか。
そしてわたしたちがより良くなろうと不器用に試行錯誤し挑戦し続けるところを、
我が子を見守るように、愛おしく誇らしく感じてくださっているのでは、と思います。

ありのままが完璧
完璧というと、整然として均整取れていて形も同じで…と思いがちです、
もちろん統一された美しさも素敵ですが、
はみ出たり、ちぐはぐだったり、欠けていたり…そういった美しさには愛おしさを感じます。
そこがあってこその美、アンバランスに見えるようであって実は完璧なバランスなのが、
人間という生き物のような気がします。
それぞれが完璧で、ひとつひとつが違う、かみさまの創造物だとしたら、
きっとひとつひとつ丁寧に丁寧に愛を込めてつくりだされたと思いませんか?
そんな自分たちのことを、かみさまの想いとは全く逆の方へ押し込めようとしているのは…
せっかくの違いをなくそうとするなんて、とてももったいない気がしてなりません!
